販売管理は企業の売上アップ・コスト削減に欠かせない重要な業務です。
今回は、「エクセルで販売管理をしたい」という方に向けて、エクセルを用いるメリット・デメリットを解説します。
エクセルでの簡単な販売管理表の作成方法や、無料でダウンロードできるエクセルテンプレートも紹介します。
- 効率的なエクセルでの在庫管理方法を知りたい
- 見やすく使いやすいエクセルの無料テンプレートを探している
- エクセルで在庫管理をする際の不便を解消したい
上記のようなお悩みを抱えている方は、ぜひこの投稿を参考にしてください。
販売管理の業務内容とは
販売管理とは、企業が商品やサービスの販売活動を効率的かつ効果的に行うために必要な管理業務全般を指します。
販売管理がカバーする内容は多岐にわたりますが、主な業務は下記の6つです。
購買管理
購買管理は、企業が販売する商品や製造に必要な原材料を調達する業務です。
カバーする範囲は広く、調達計画の立案から、最適なサプライヤーの選定、価格交渉、契約締結、発注、納期管理、品質確認まで含まれます。
購買管理は、コスト削減や適正在庫の維持に直結するため、過剰在庫によるコスト増加や欠品による販売機会の損失を防ぐために重要です。
さらに、購買先の信用調査やサプライチェーンのリスク管理も購買管理の一環です。
在庫管理
在庫管理は、商品や原材料の量を適切に管理するプロセスです。
商品に関するあらゆる情報(カテゴリ、ロット、シリアルナンバー、保管場所、数など)の管理に始まり、棚卸し作業、受発注の管理、リアルタイムでの在庫動向の追跡、在庫回転率のデータ分析などを行います。
適切に在庫量を維持することで品切れや過剰在庫を防ぐことが可能になり、企業の売上アップや保管コスト削減に貢献できます。
受注管理
受注管理は、顧客からの注文を受け付け、それを効率的に処理する業務です。
受注内容の確認から在庫状況の把握、注文情報の登録、注文の変更・キャンセル、返品処理などが含まれます。
また、受注後のアフターフォローとして、受注確認メールの送信や納期連絡の手配も重要な業務です。
正確な受注管理により納期遅延や誤配送を防ぐことができ、顧客満足度向上につながります。
出荷管理
出荷管理は、受注が完了した商品の発送準備から配送までを管理するプロセスです。
具体的には、商品のピッキングや梱包、ラベル貼り、配送業者の手配、配送状況の追跡、伝票や帳簿の作成などが含まれます。
出荷が迅速かつ正確に行われると顧客満足度や信頼度が増し、リピート率向上につながります。
また、誤配送や遅延はクレームや返品処理など余計なコストを生むため、出荷管理を効率的に行うことは、企業の運営コスト削減にも寄与します。
請求管理
請求管理とは、企業が顧客に対して提供した商品やサービスの代金を請求し、入金を確認するまでの一連の業務を指します。
具体的には、請求書の作成・発行、入金の管理、未収金のフォローアップなどが含まれます。
請求管理は企業の収益確保に直結しているため、未収金が発生するとキャッシュフローに悪影響を及ぼします。
遅延のリスクを減らし、取引先との良好な関係を維持するために、正確かつタイムリーな請求が求められます。
顧客管理
顧客管理とは、企業が顧客情報や取引履歴を一元的に管理し、顧客との関係を構築・維持・強化するための一連の業務を指します。
顧客管理は、営業活動やマーケティング戦略、カスタマーサポートなど、顧客対応全般に関わる重要な要素です。
適切な顧客管理は顧客満足度を向上させ、顧客のリピート率を高めることで企業の成長に貢献します。
エクセルで販売管理をするメリット
エクセルで販売管理をする際のメリットとしては、主に下記の3点が挙げられます。
初期費用やランニングコストがかからない
ひとつめのメリットとして、低コストで始められることが挙げられます。
エクセルを使うにあたって新たに専用の販売管理ソフトを購入する必要はありません。 操作に関して特別なトレーニングも不要なので、すぐに使い始められるのも大きなメリットです。
項目を柔軟にカスタマイズができる
販売管理では在庫や売上、顧客情報などさまざまな情報が必要になりますが、エクセルでは柔軟に項目を設定できる点がメリットです。 自社の業務や商品特性に合わせて細かな設定が可能です。 基本的な項目だけでいい場合は、無料配布されているテンプレートを使うという方法もあります。
容易にデータ分析ができる
エクセルでは関数やピボットテーブルが使えるため、容易にデータ分析ができます。
また、表やグラフも簡単に作成できるため、売上や在庫の傾向を視覚的に整理しやすい点もメリットです。
小規模な事業所やスタートアップ企業など、コストを抑えつつ自社に合った販売管理を行いたい場合にエクセルは非常に有効と言えるでしょう。
エクセルで販売管理をするデメリット
しかしながら、エクセルで販売管理をする際は下記のようなデメリットもあります。
手作業での入力が多いためミスが発生しやすい
エクセルのデータ入力はおもに手動でおこなうため、ヒューマンエラーが発生しやすい点がデメリットです。
データが増えるとその分入力ミスや重複が起きやすくなり、データの信頼性が低下し正確な販売管理ができなくなるリスクがあります。
複数人でのリアルタイム編集が難しい
エクセルは複数人が同時に編集することが難しく、リアルタイムに情報の共有ができない点がデメリットです。
扱うデータ量が多い場合にはファイル自体も重くなり、作業効率が低下します。
編集権限の管理も難しいため、誰がどの項目を変更したかなどの確認が困難な点もデメリットでしょう。
しかしながらエクセルの管理者を特定のスタッフに固定すると属人化してしまい、作業効率に影響が出る可能性があります。
セキュリティ面に不安がある
エクセルファイルはパスワード保護が可能ですが、ファイル共有時には情報漏洩のリスクがあります。
機密性の高い顧客情報や売上データを扱う場合には専門の販売管理ソフトのほうが安心です。
ほかのシステムとの連携が難しい
エクセルはほかの販売管理システムと直接連携できないことが多いため、スムーズにデータを共有することが困難です。
エクセル内のデータを別のシステムに移行する場合はかなりの手間と時間がかかるでしょう。
これらのデメリットを踏まえると、エクセルは取り扱うデータ量が比較的少ない小規模業務や一時的な利用としては便利ですが、大規模かつ長期的な販売管理には向いていないことがわかります。
そのため、自社の業務規模に合わせて専用の販売システムを導入することも検討するとよいでしょう。
エクセルで効率的に販売管理をする方法
エクセルで販売管理をする場合、主に在庫情報、顧客情報、売上情報の管理が必要になります。
ここでは、エクセルで販売管理をしたい方向けに作成手順を解説します。
①マスターデータを設定する
まず、エクセルに入力する必要のある基本項目をリストアップします。業種によって必要な情報が異なるので、自社のニーズに合った項目を見極めることが重要です。
販売管理は主に在庫、顧客、売上の情報管理が重要なので、一般的に必要とされる項目を下記にまとめてみました。
- 在庫管理
商品カテゴリー、商品名、品番、在庫数量、仕入れ日、仕入単価、販売価格、在庫場所など - 顧客管理
顧客名、企業名、住所、担当者名、連絡先、購買履歴、購入頻度、支払い方法・期日など - 売上管理
売上日、顧客名・顧客ID、商品名・商品ID、単価、数量、売上金額、支払方法、支払状況(未払、入金済みなど)など
②各表のレイアウトを決定する
次に、情報をわかりやすく表示するためのレイアウトを決めます。
自社でどのようなデータが必要か、重要視すべき内容はなにかを検討しながら見やすい表を作成しましょう。
たとえば、売上管理表では期間ごと(日、週、月別など)に売上を集計し、傾向を分析しやすくするレイアウトが効果的です。
商品別や顧客別に売上データを集約することで、どの顧客がどの商品を多く購入しているのか、売れ筋商品や優良顧客の動向を把握しやすくなります。
また、表の見せ方にもこだわりましょう。表を一覧表示したいなら列の配置やサイズにも注意し、スクロールなしに重要な項目(商品名や顧客名、売上額など)を確認できるようにするとよいでしょう。
③関数を設定しデータを入力する
最後に、条件別に集計しやすくなるよう必要な関数を設定します。
一例として、下記に販売管理に活用できる関数を挙げてみました。
- SUMIF関数
SUMIF関数は、特定の条件のみに当てはまる数値を合計できる機能です。
たとえば、特定の商品カテゴリの在庫数のみを数えるときや、特定の担当者の売上の合計を求める際に便利です。
例:「電子機器」カテゴリのみの在庫数を知りたい場合
C8に以下のような関数を設定します。
=SUMIF(B2:B6, "電子機器", C2:C6)
この数式を実行すると、「電子機器」カテゴリの在庫数(15 + 5 = 20)がピックアップされ、結果として20と表示されます。
- COUNTIF関数
COUNTIF関数では、指定した条件を満たす項目の数のみをカウントできます。
たとえば、在庫数量が0の商品をカウントする場合や、売上数量が一定以上の日をピックアップする場合に便利です。条件を複数設定することもできますよ。
例:「電子機器」カテゴリ内で在庫がなくなった商品数を知りたい場合
C8に以下のような関数を設定します。
=COUNTIFS(B2:B6, "電子機器", C2:C6, 0)
この数式を実行すると、「電子機器」カテゴリの在庫数が0の商品Cがピックアップされ、1
と表示されます。
- VLOOKUP関数
VLOOKUP関数を使えば、膨大な在庫リストから特定の商品情報(例:仕入れ価格や在庫数)を簡単に引き出すことが可能です。
例:商品ID102の商品名と在庫数量を知りたい場合
まず、A9に知りたい商品IDを入力します。
次に、商品名を知りたい場合、B9に以下のような関数を設定します。
=VLOOKUP(A9, A2:D6, 2, FALSE)
次に、在庫数量を知りたい場合、C9に以下のような関数を設定します。
=VLOOKUP(A9, A2:D6, 4, FALSE)
この数式を実行すると、商品IDが102の商品名と在庫数量が瞬時に確認できます。
関数を設定した後は、エラーがないか、また必要なデータが正確に表示されるかを忘れずに確認しましょう。
ダウンロードOK!無料のエクセルテンプレートはこちら
販売管理のエクセルを作るのが大変な場合や、基本的な項目のみで足りるという場合はテンプレートを活用しましょう。
以下のリンクからダウンロードできますので、ぜひお役立てください。
在庫管理表のエクセルテンプレート
シンプルなテンプレートのほか、商品別に在庫管理ができるテンプレートを用意しました。
- シンプルなテンプレート
縦向き・横向きのテンプレートを用意しました。在庫の繰越数・入庫数・出庫数・単価を入力すると、在庫数と合計金額が自動計算されます。
ダウンロードはこちら:在庫管理表(シンプル)
- 商品別に在庫管理ができるテンプレート
縦向き・横向きのテンプレートを用意しました。在庫の繰越数・入庫数・出庫数・単価を入力すると、在庫数と合計金額が自動計算されます。
ダウンロードはこちら:在庫管理表(商品別)
顧客管理表のエクセルテンプレート
シンプルなテンプレートのほか、インボイス制度の適正請求書発行事業者であるかを管理できる管理表も作成しました。
- シンプルなテンプレート
ダウンロードはこちら:顧客管理表(シンプル)
- インボイス制度対応の顧客管理表
インボイス対応の有無が一目でわかるほか、請求書の作成時などに必要な適格請求書発行事業者番号も管理可能です。
ダウンロードはこちら:顧客管理表(インボイス対応)
売上管理表のエクセルテンプレート
売上管理表は利用目的によって記載すべき項目が変動します。
ここでは、売上日別・月間の売上管理表のほか、商品や取引先ごとに売上金額を確認できるテンプレートを用意しました。
- 売上日別・月間の売上管理表
月間の売上管理表では月の売上達成率も一目で確認できます。
ダウンロードはこちら:売上管理表(日別・月間)
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商品別売上管理表
ダウンロードはこちら:売上管理表(商品別)
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取引先別売上管理表
ダウンロードはこちら:売上管理表(取引先別)
データ量や事業規模が大きくなってきたら販売管理ソフトでの管理がおすすめ
販売管理はエクセルでも管理ができますが、取り扱うデータ量が増えると手作業では管理が追い付かなくなり、結果的に業務が煩雑になります。
エクセルでの管理に限界を感じた場合は販売管理ソフトの導入を検討してみましょう。
販売管理ソフトは、売上、在庫、顧客情報などを一元的に管理できます。
データ量が増えても取り扱いが簡単なうえに、データ分析や報告書の作成、発注業務など自動化できる業務も増えるので、ヒューマンエラーも少なくなります。
企業全体の作業効率が向上し、競争力強化を実現できるでしょう。
おすすめの販売管理ソフト「Sanka」を紹介
事業が大きくなり、エクセルでの販売管理に負担を感じ始めたら、販売管理ソフトの導入を検討してみましょう。
クラウドベースの販売管理ソフト「Sanka」では、下記のような特徴があります。
調達、在庫、受注、請求にかかる業務をクラウドで一括管理
Sankaでは上記4つの業務の内容を一括して管理できます。
売上や在庫状況などはリアルタイムに把握が可能。
手作業で時間がかかる受発注業務や請求業務などは自動化も可能です。
販売管理に関わる売上や在庫などの情報をまとめて管理することで、作業時間やコスト、エラーを削減します。
複数人での同時作業も可能なので、徹底的な業務の効率化を実現できるでしょう。
ほかのビジネスソフトとの連携が可能
連携サービスが豊富なため、自社に最適な業務フローを実現できます。
たとえば、在庫管理であれば会計、注文管理、配送サービスなどと同期させることが可能です。
どんなプランが自社に合っているかわからないという場合でも、Sankaがサポートしてカスタマイズしてくれるの安心です。
万全のセキュリティ体制
2段階認証やSSOをはじめ、自社インフラにも最新の暗号化技術とセキュリティプロトコルを採用。
エクセルではセキュリティが不安という方でも安心してお使いいただける環境を整えています。
専門チームが導入から運用まで全面的にサポート
システムの導入時にはトラブルがつきものですが、Sankaでは実績豊富なチームがサポートにあたります。
利用プランに応じてメールや電話、訪問サポートなども実施。定期的にウェビナーやビデオ講座なども配信しています。
初期費用0円、契約期間の縛りなし!月額30,000円からスタート
Sankaはユーザー数に応じた従量課金制の料金体系を導入しています。
初期費用はかからず、契約期間の縛りもないのでどなたも始めやすい環境が整っています。無料トライアルプランもあるので、まずは使い勝手を確かめたいという方も安心ですよ。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
まとめ
効率的に販売管理を行うためには、事業規模やユーザー数に合わせた対策を考えることが重要です。
データ数が小規模な場合は、エクセルでの管理がおすすめです。
今回紹介したエクセルテンプレートをぜひ活用してみてください。
また、ほかの業務ジャンルの無料テンプレートも用意していますので、Sanka Academyのサイトもチェックしてみてください!
もし、エクセルでの管理に限界を感じたらSankaのようなクラウドベースの販売管理ソフトを検討してみましょう。
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