業種を問わず、売上アップやコスト削減、顧客満足度などの向上に欠かせない基幹業務が在庫管理です。
ですが、手作業での在庫管理は時間がかかるうえにミスが生じやすいため、スムーズな業務運営の妨げになることがあります。
そこでおすすめなのが、在庫管理ソフトウェアの導入です。
在庫管理ソフトウェアを使えば在庫の情報更新を自動化できるだけではなく、余剰在庫の削減や受発注業務・顧客管理業務との連携も可能です。
この記事では、おすすめの在庫管理ソフトウェアベスト5を紹介。
自社の事業規模や課題に合わせて最適なツールを見つけて、在庫管理を効率化していきましょう。
1. Sanka
Sankaは、在庫管理、調達管理、受注管理、請求管理を含む幅広い業務を一元管理し、組織の生産性アップを目指すクラウド型のソフトウェアです。
小売業からメーカー、サービス業まで多業種に対応。これまでに1,000社を超える導入実績があります。
主な機能:
- 在庫管理:全商品の情報を一元管理し、在庫状況をリアルタイムに追跡できます。棚卸など、これまで手動でやっていた業務の自動化も可能です。
- 調達管理:サプライヤー選定や発注書作成、入出庫指示、支出管理まで自動化できます。
- 受注管理:見積もりから受注、配送・納品処理までを効率化。キャッシュフローの改善やエラーの削減を実現します。
- 請求管理:適切なタイミングでの請求書の自動発行、回収リマインダーの発行を実現するなど、請求・回収にかかる時間とエラーを最小化します。
長所:
- 豊富な連携サービス:EC、CRM、会計ソフトといった多くの外部サービスとの連携が可能。シームレスな業務を実現できます。
- 充実の導入・利用サポート:導入時やトラブルの際はサポートチームが手厚く対応します。
- 安心の実績:納品実績は1,000社以上。導入企業の87%以上が作業時間を短縮、75%以上がコスト削減、92%以上がエラー削減を実現できたと実感しています(※)。
- 無料トライアルプラン: 使い勝手を確認できる無料プランが用意されています。
短所:
- 適応時間:クラウド型ソフトウェアの利用が初めての場合は、すべての機能を十分に活用するまでに少し時間がかかるかもしれません。
おすすめのユーザー:
手動での在庫管理に限界を感じている方はもちろん、業務効率化とコスト削減を両立できる在庫管理ソフトを探している方におすすめです。
小売業、メーカー、サービス業、商社など、幅広い業種に対応しています。
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2. エクセル
エクセルは表計算ソフトで、数値データの計算や管理、データの視覚化などに向いているツールです。
主な機能:
- 数値計算:関数や数式を使った自動計算が可能です。
- データ分析:大量のデータから傾向を見出すためのピボットテーブルやデータ分析ツールが備わっており、簡単な統計処理や集計に役立ちます。
- グラフ作成:データを棒グラフや円グラフなどに変換し、視覚的に表現することで、データの傾向や特徴を理解しやすくします。
- 操作の自動化:マクロ機能を使えばよく使う操作を自動化し、繰り返し作業の効率化が可能です。
長所:
- コストがかからない:エクセルは手頃な価格で入手できるため、コストをかけたくない小規模事業所や個人での利用に向いています。
- 汎用性が高い:エクセルは多様な業務に対応できる汎用的なツールです。在庫管理のほか、データ分析、予算管理、スケジュール作成など、業種を問わずさまざまな用途に使えます。
- データ分析ができる:関数やピボットテーブルを使えば容易にデータ分析ができます。
短所:
- ミスが発生しやすい:エクセルではデータを手動で入力するため、データ量が増えるとヒューマンエラーが発生しやすい点がデメリットです。
- リアルタイムでの情報共有が難しい:エクセルは複数人が同時に編集することが難しく、作業効率が低下するリスクがあります。
- 外部システムとの連携が難しい:エクセルはほかのソフトウェアなどと連携できないことが多いため、スムーズにデータを共有することが困難です。
おすすめのユーザー:
比較的小規模〜中規模な事業所で在庫管理をする場合に向いています。
3. Microsoft Access
Microsoft Accessは、Windowsで利用できるデータベース管理システム (DBMS) です。
エクセルに比べ膨大な量のデータを保存でき、必要な情報の抽出が容易にできます。
主な機能:
- テーブル作成:データ管理のためのテーブルを作成可能。複数のテーブルの関連付けもできるので、オリジナルフォームも作れます。
- クエリ機能:簡単な操作だけでデータの集計や抽出が可能。SQLの知識がなくても作成可能です。
- マクロ:よく使う操作や一連の処理を自動化することができます。VBAを用いることで、さらに高度なカスタマイズも可能です。
- レポート:指定したフォームにそって納品書や見積書などを簡単に作成できます。
長所:
- エクセルよりデータ入力が簡単:一度データベースを作成してしまえば、クエリによって適切に各テーブルに整理されるため、データ入力時の手間が半減します。
- 納品書や見積書の作成が簡単:「AかつB」のような重複条件に該当するデータを簡単に抽出できるので、 書類の作成時に役立ちます。
- 導入が簡単: Microsoft OfficeでAccessをインストールするだけでOK。エクセルとの互換性もあるため、エクセルでの在庫管理が限界になってきた場合のアップサイジングに向いています。
短所:
- データ保存サイズに制限がある:Accessが利用できるファイルサイズは2GBまでなので、大規模なデータベースの管理には向いていません。
- 複数人が同時に作業することが難しい:データ量が多い場合は動作が重くなり、正確に情報が更新されない可能性があります。
おすすめのユーザー:
プログラミングの知識がなくてもデータベースを簡単に一元管理したい方や、毎日のエクセルのデータ入力業務を効率化したい方、Microsoft Officeの他の製品と連携させたい方などが向いています。
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4. Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365はMicrosoftが提供するビジネスアプリケーションです。
在庫管理業務と顧客管理をひとつのソフトで管理できるうえ、営業など多様な業務との情報連携が可能です。
主な機能:
- 在庫管理:商品情報をまとめて管理できるほか、売上予測や在庫切れも把握可能。発注書を自動で作成するなどの業務サポートも。
- 営業・マーケティング管理:顧客情報や商談情報、見積もり作成など、営業に必要な情報の一元管理が可能。報告書などの自動作成により個人の業務負担を軽減できます。
- 会計機管理:予算管理のほか、請求書の作成や支払い処理を効率化する機能が含まれています。
長所:
- Microsoft Office製品との連携が可能:ほかのMicrosoft製品と使用感が似ているので、直感的な操作が可能です。
- 1つのツールで広範囲の業務をカバー可能:在庫管理からマーケティング、財務や会計、顧客サポートなど、幅広い情報を一元管理できるため、情報共有性がアップします。
- 導入方法を選べる:自社規模や用途に王手時クラウド型と自社設置型から選択できます。
短所:
- 専任運用スタッフが必要: Dynamics 365の運用はやや複雑なので、専用スタッフがいたほうが業務の効率化が図れます。そのため、スタッフの確保や教育が課題と言えます。
- 既存システムとの互換性:自社ですでに導入しているシステムとの連携・同期が可能か確認が必要です。
おすすめのユーザー:
在庫管理の多岐にわたる業務プロセスを効率化し、営業やマーケティングなど他業務との連携も実現したい方に向いています。
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7. NetSuite
NetSuiteは、会計、ERP、CRM、Eコマースなどの業務の一元管理が可能なソフトウェアです。在庫管理業務では、複数の拠点や販売チャネルにする在庫をリアルタイムで追跡・管理できます。
主な機能:
- 複数エリアでの在庫の可視化:倉庫や配送業者、小売店など複数のエリアにまたがる在庫管理が可能。リアルタイムで在庫の推移を追跡できます。
- 予測に基づく在庫補充:販売予測や過去のデータを参考にして在庫レベルを自動で適切に管理します。
- レポート機能 :販売状況や在庫状況をグラフや表でチェックできるため、データ分析に活用できます。
長所:
- 最適な在庫レベルを保てる:需要、販売予測、季節性を考慮した需要ベースのプランニングにより、適切な在庫量を確保します。
- 収益性の向上:社的な在庫の可視化により在庫管理を効率化し、コストを削減します。
- 海外展開にも対応:同じソフトウェアで各国のデータをリアルタイムに把握可能です。
短所:
- 複雑さ:小規模な事業所やシンプルな在庫管理で足りる企業にとっては搭載機能が多すぎるかもしれません。
- コスト:包括的なERPソリューションであるためエクセルやMicrosoft Accessなどと比較してコストが高くなる可能性があります。小規模な事業所やコストダウンを意識している場合は手が届きにくいかもしれません。
おすすめのユーザー:
NetSuiteは複数の拠点やチャネルで在庫を管理したい中規模〜大規模な企業に適しています。
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在庫管理システムを導入するメリット
リアルタイムの在庫管理が必要な場合や、ほかの業務と連携させて企業全体の業務効率化を実現したい場合は在庫管理システムの導入がおすすめです。
ここでは、在庫管理システムを導入することで得られる主なメリットについて解説します。
在庫数をリアルタイムに把握できる
在庫管理システムを導入することで、リアルタイムで在庫状況を把握できるようになります。
返品や欠品などイレギュラーな状況にも対応できます。
事業所や倉庫、販売店など、複数の拠点に在庫を分散して保管している場合でも、リアルタイムに動向をチェックできますよ。
クラウド型のプラットフォームであれば複数人のスタッフが同時にアクセスできるので、同じ最新情報を確認でき、意思決定がスムーズに進められるという点もメリットです。
需要予測により在庫数を適切に保てる
在庫数システムによっては、過去のデータや販売状況をベースに需要予測を立てることが可能です。
需要予測は経験がある人でも難しい作業ですがAIを使えば最新の市場トレンドも加味できます。
これにより、計画的な在庫管理が可能になり、ピーク時の対応や需要変動にも迅速に対応できます。
過剰在庫を抱えるリスクや在庫不足による売り逃しを防げるので、企業の売上アップ・コスト削減に大きく貢献できるでしょう。
トレーサビリティの精度が向上する
在庫管理システムを使えば、商品の出荷や入荷履歴を追跡できます。
たとえば製造業においては、ひとつの製品を作る際に使った部品の情報もすべて管理できるため、問題が発生した際に原因となった部品の特定、同じロットの部品を使った商品の出荷停止など、迅速な対応が可能になります。
とくに食品や医薬品業界では重要な機能と言えるでしょう。
関連業務の効率アップも目指せる
多くの在庫管理システムでは、在庫管理のほかに顧客管理、売上管理、受発注管理など、さまざまな機能と連携が可能です。
手作業では時間がかかる発注書や請求書の作成などを自動化できるケースもあるので、ヒューマンエラーの削減とともに業務の効率化が図れます。
また、ひとつのシステムで複数の業務を管理できるため、複数のツールを運用する手間もかかりません。
スタッフの負担も軽減できるでしょう。
自動でデータ分析とレポート作成ができる
在庫や売上データを活用して自動でデータ分析・レポート作成ができるようになります。
たとえば、売れ筋商品のトレンド分析、在庫回転率の計算、シーズンごとの需要の変動予測などを簡単に確認できます。
システムによっては、分析項目や出力フォーマットをカスタマイズすることもできるので、さらなる業務効率化が実現できるでしょう。
このように、在庫管理システムの導入は、業務効率、コスト管理、リスク管理、顧客満足度など、複数の面で大きなメリットをもたらします。
自社に合う在庫管理システムを選ぶポイント
在庫管理システムはそれぞれ特徴が異なるため、どのような商品が自社に合うか迷ってしまいますよね。
その場合は、下記のポイントに注目しながら選んでみてください。
自社の在庫管理体制に合っているか
業種や取扱商品、倉庫の規模などにより、必要になるソフトウェアの機能や運用方法は異なります。
たとえば、小売業において複数の販売店舗・倉庫での在庫をリアルタイムで管理したい場合、複数拠点での管理に対応したシステムが必要です。
膨大な数の部品を扱う製造業においては、マスターデータの取り込みが簡単なシステム(バーコード・QRコードの読み取りに対応しているなど)を選ぶ必要があるでしょう。
在庫管理を1人でするのか、複数人でするのかによっても必要な機能は変わります。
現場のオペレーションや業務フローに合っているかどうかも含め、自社の業務に応じた在庫管理に対応しているかどうかは重要なチェックポイントです。
機能を柔軟にカスタマイズできるか
在庫管理システムには特定の業種向けのものから、幅広い業種で活用できる汎用タイプまでさまざまな選択肢があります。
今後ビジネスが拡大していく可能性がある場合は、システムを柔軟にカスタマイズできるソフトウェアを選ぶとよいでしょう。
在庫管理だけではなく、発注業務や請求業務などの関連業務もサポートしてくれる機能があれば、企業全体でさらなる効率化が見込めます。
ほかのシステムと連携できるか
企業全体の作業効率をアップしたい場合は、在庫管理業務だけではなく販売管理、経理、調達などほかの業務と連携できるかを確認しましょう。
また、自社ですでに導入しているシステムがある場合は、互換機能があるかどうかも重要なチェックポイントです。
サポート体制は万全か・無料トライアルプランがあるか
在庫管理は企業の基幹情報であるため、不具合があると業務全体に支障をきたす可能性があります。
そのため、サポート体制が整っているかどうかは重要なチェックポイントです。
これまでにどれくらいの導入実績があるかも確認しておきましょう。
また、可能であれば無料のトライアルプランを利用できるシステムが望ましいです。
事前に使い勝手を確認し、社内での検討材料にしましょう。
ただし、無料プランの場合は利用できるユーザー数や機能に制限があるケースも多いので注意してください。
まとめ
今回紹介したソフトウェアはそれぞれ独自の強みと弱みを持っているため、自社の業種や業務の特性に応じた検討が必要です。
自社に最適な在庫管理ソフトウェアを選ぶためにもビジネスの規模やニーズ・課題を的確に把握し、効率的な在庫管理を実現しましょう。