Sankaアカデミー

コロプラCFOに聞く!Web3コミュニティの作り方。

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最終更新日: 2024年2月20日

このインタビューは株式会社コロプラでCFOを務めるの原井さん、株式会社サンカ代表の金(キム)の間で収録されたものです。

金:本日はお時間いただきありがとうございます!

このインタビューでは、株式会社コロプラのCFOであり、ブロックチェーンゲーム「Brilliantcrypto」を手がけるグループ会社Brilliantcrypto,Inc. のマーケティング及びIEO準備室の管掌取締役である原井さんにお越しいただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

原井さん:よろしくお願いします。

Brilliantcryptoについて

金:早速、インタビューを始めさせていただければと思うんですけれども、Brilliantcryptoの概要を簡単にお伝えいただければと思います。

原井さん:立ち上げの背景としては、2022年の初頭ですかね、日本でもSTEPN*がかなり流行りはじめた時期がありまして、スマホのゲーム市場がかなり成熟化している中で、「Play to Earn」という新しいジャンルのゲームに魅力を感じたことが背景にあります。

*Move to Earnと言われる位置情報とNFTをかけあわせたブロックチェーンゲーム。

コロプラは創業以来、「最新のテクノロジーで今までにない体験を届けること」に注力をしていて、今回ブロックチェーンという新しいテクノロジーを生かして、Play to Earnという今までになかった体験を提供できるんじゃないか、というのが立ち上げの背景です。

Play to Earnのゲームは一時的には流行りましたが、課題としてゲームに「持続可能性」があるかが重要だと考えています。例えば最初に入ってきた人は稼げるけれども、後で入ってきた人は価値が持続しない、つまりある種のポンジスキーム的な要素があるように見られている部分は、まだ改善の余地があると考えています。

この課題を解決しようとしてるプロジェクトが、弊社が手掛ける「Brilliantcrypto」です。

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このゲームが掲げているコンセプトは「Proof of Gaming(プルーフ・オブ・ゲーミング)」です。

これはビットコインのProof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)から着想を得ているんですが、ビットコインが電力を消費してマイニングされるように、ゲームをすること自体がマイニングになり、価値を作り出す(NFTの宝石を生み出す)というコンセプトになっていて、この仕組みを活用して持続可能なPlay to Earnゲームを生み出したい、と考えています。

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コロプラのWeb3戦略

金:ありがとうございます。いやぁ、いいですね。僕個人としてはもう長い間関わらせていただいておりますが、改めて聞いてみてコンセプトがめちゃくちゃ面白いと思いました。笑。

これからリリースを控えてますが、現在の利用者数やコミュニティの数を教えていただけますでしょうか。

原井さん:我々のプロジェクト自体は昨年の7月に日本のWebXというイベントで発表させていただいて、そこからコミュニティ作りを始めたんですけれども、今足元ではX(旧Twitter)とDiscordが共に3万人後半台の数字となっておりまして、まだゲームがリリースされていない中、日本の他のWeb3タイトルとも遜色ない人数まで、来ているのではないかなという風に思っています。

特に内訳が国内が2-3割、海外が7-8割というところで、日本企業が作っているものの、グローバルのプロジェクトとして立ち位置を確立しつつあるかと思います。

金:なるほど。リリースまでの、そしてリリース後のロードマップについて伺わせてください。

原井さん:はい、まずはゲームのリリースはこの春頃を予定しておりまして、自社トークンの発行(IEO)もゲームリリースと近いタイミングを目指しています。

WebX以来、まだ1年弱ですが、しっかりとこのWeb3業界で認知を広げてコミュニティを作ってきたので、この業界でファンやコミュニティメンバーが増えていますが、リリース・IEO以降はWeb3界隈の方々だけではなく、Web2のユーザー様にまで広げていくことで、世界中でこのゲームを知ってもらって、デジタル空間に宝石が作られていく、というのが現時点でのロードマップです。

金:ありがとうございます。楽しみですね!

コロプラさんの場合は日本の上場企業でもありますし、そうした点でWeb3プロジェクトへの取り組み方、例えばトークン発行に必要な業務もかなり特殊かな、とは思うんですが、今まで「ここが大変だった」のような課題ってありましたか?。

原井さん:そうですね、単純にブロックチェーンのゲーム開発もそうですし、やっぱりWeb3の根底にある非中央集権的な考え方だったり、トークンで稼げるゲームになるので、単純に「ただ面白い」だけではなくファイナンスの部分を作り込んだりといったところは、チャレンジであったと思います。

一般的には、やっぱりゲームがいかに面白いかっていうところがポイントだと思うんですよね。ただWeb3だとそれだけじゃ成り立たないと。その絶妙なバランスですよね。ゲームとしても中毒性があって面白いし、かつある程度お金を稼ぐためのものなので、難易度も簡単すぎるといけないしという。。。

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コミュニティ作りの本質は喜んでもらうこと

金:おっしゃる通りですね。ブロックチェーンゲームのヒット作を作ることがシステム化・ノウハウ化できてるところはまだ世界を見てもどこもいないかと思います。

次に先ほどお伺いしましたが、すでにある程度の規模のファンベースが出来上がっているBrilliantcryptoが、どのようにしてゼロからコミュニティを作られたか、お伺いできますでしょうか。

原井さん:これはWeb2、Web3間系なくコロプラでやってることでもあるんですけど、やっぱりお客様、ユーザー様にいかに喜んでもらうことかな、と

コロプラってスマホの黎明期から事業をやってるので、それこそ『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』や『白猫プロジェクト』など10年ぐらいやってるタイトルも数多く抱えていていますが、その間ずっとお客様を喜ばせる施策をやり続けているんですね。

コミュニティの運用も本質はそんなに変わらないかなと思っていて、やっぱりユーザー様が求めていることは何なのかとか、どうやったら喜んでもらえるのか、興味を持ってもらえるのかっていうところが一番重要だと考えています。

今コミュニティマネージャーをやっているメンバーも、長い間ゲームの運用をやって成果を上げてきた人なので、やっぱりユーザー様への思いというか、マインドは強く持っていますし、国内か、海外かだったり、Web2かWeb3かのような違いはあれど、本質的には我々が得意としているゲーム運用と変わらないと思います。

金:おお、めちゃくちゃ面白い話ですね。具体的に聞きたいのですが、どうやったらユーザーが喜ぶのかという判断はどのように下されていますか?

このあたりの知見はコロプラさんにめちゃくちゃ溜まってるんじゃないかなと思ってるんですけど、データから推測するのか泥臭くユーザーと直接話すかとか、ユーザーを理解する秘訣などありますでしょうか?

原井さん:そうですね、会社のビジョンとして、今この世にない新しい体験こそが、ユーザー様に喜んで頂けるという考えが根底にあると思っていて。

「新しい体験」なので、ユーザー様自身も、何を求めているのか、気づいてない部分があると思います。例えばiPhoneが世に出てない時にiPhone欲しいですって誰も言えないじゃないですか。でもiPhoneが世に出て、「便利だ」「欲しい」という認識が広がるとそこから需要が生まれて、世界が変わっていくんだと思います。

なのでまずはデータを見たり、ユーザー様からフィードバックを集める以前に、「新しい体験」を突き詰めて考えたり、このビジョンに立ち返るのが重要じゃないかなと思ってますね。

金:なるほど。

原井さん:ただ一方で、オンラインゲームってユーザー様からのフィードバックが常にありますよね。ちょっとイベントやったら、プレイ時間が何時間あった、どれくらいのアイテムが買われた、継続率がどうだったかなど。

そういう意味では常にデータと向かい合わなければいけないんですよね。ゲームをリリースする前までは先ほどお話した「新しい体験」を届けるという会社のビジョンを実現するために、まだ世の中にないからこそ良いものだと信じてものづくりをしていますが、ゲームが一度世に出てからは、とことんユーザー様に向き合うことが重要だと考えています。つまり「結果には素直になれ」っていう意味なんですが。

金:めっちゃいい言葉ですね。

原井さん:要は、ユーザー様がいいって言えばいいし、それはデータにあらわれます。逆に結果が悪ければ、いくら自分がクリエイティブだとか面白いと思っても、つまらんと言われたらダメだ、みたいなところがありますよね。

新しい何かを届ける、っていうことはやめてはならないが、出た作品に対するフィードバックを素直に受け入れる姿勢は絶対に必要で。なので社内ではデータやグラフには関してすごいうるさいです。笑。

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Sankaとの協業

金:右脳と左脳をフル活用してますね。すごい。

これまでSankaは去年の年初から、もう1年ほどお付き合いさせていただいているわけなんですが、弊社のサービスに対して良かった点、ここは改善してほしいという点を教えてください。

原井さん:Sankaさんにお願いして良かった点は、ただのアドバイスだけではなく、海外出張なども一緒に来ていただいたり、採用活動を支援いただいたりと、外部の人間ではなく、社内メンバーと同じ目線でコミットして、プロジェクトに伴走していただける点です。改善してほしい点は、金さんが忙しそうなので、もっと仕事をお願いできたらと思ってます。笑

金:すいません、ありがとうございます。笑

今までマーケティング、戦略、営業やパートナーシップなど幅広くお手伝いさせていただいておりますが、今後一番期待されている領域は何でしょう?

原井さん:1番か、1番・・・まあ今までと同じく全体設計を見ていただければとは思いますが、今後さらに海外展開・グローバル展開が進むにつれて、トークンのリスティングやミント・配布が控えていて、この領域はまだ我々が模索する部分がたくさんあると思っているので、これらの領域で一緒に伴走していただいて、引き続きアドバイスをいただけるとありがたいなと。

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今後の展望

金:了解しました、一緒に頑張りましょう!

最後のトピックとして、Web3業界について原井さんからコメントをいただければと思います。今後の展望や意気込みなどをお聞かせください。

原井さん:ブロックチェーンゲームの市場レポートをいくつか見ると、大小はあれど、2025年までに3兆円を超える市場規模になるという予測もされていて、この市場のリーディング・プレイヤーに我々がなりたいと考えています。

市場成長は期待されていますが、この業界が一般の方にリーチするためにはやはりキラーコンテンツが出てくるかどうかが重要だなと思っていて。スマホの時もそうでしたが、ハードだけではなく、大衆を魅了するソフトがあってこそ、ハードの浸透を加速するんじゃないかと。

「お金」と「ゲーム」という多くの方が興味を持ちやすい分野ではあるので、そこに良質なゲームコンテンツをあてることで、ブロックチェーンゲームはもちろんのこと、Web3全体が盛り上がってくれれば嬉しいですね。ただし市場の予測は予測なので、こうした狙いを実現するために、ひたすら市場の先頭で頑張ることが重要ですよね。

金:本当にそうですね。スマホゲームで業界をリードして盛り上げてきたコロプラさんの言葉なので、すごい説得力がありました。

最後にですね、今Web3プロジェクトを立ち上げたいと考えている企業の担当者や、ブロックチェーンゲームで起業したいと考えている方々へ、アドバイスをいただけますでしょうか?

原井さん:そんな偉そうなことを言える立場でもないんですが、一つ言えるのは、日本が世界に本気で勝負できる分野ってあまりないと思っていて。Web3は、勝負できる一つの分野になると思っています。アメリカでは規制が厳しくてなかなか勝負できる状況じゃない一方で、日本はルールメイキングが比較的世界各国と比べて早かったですよね。国自体がWeb3を成長戦略として掲げてるので、官民連携して世界市場をとれる、非常に稀な環境・チャンスが整っています。

まだまだ業界は小さく黎明期で競争するというよりはみんなで盛り上げる段階なので、チャレンジはあるかと思いますが、一緒にワクワクしながら市場をどんどん切り開いていければ嬉しいなと思います。

金:原井さんらしく、偉そうなアドバイスっていうより視聴者へのエールのようなお言葉になりましたが。笑。ありがとうございました!

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